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性病科(STⅠ)

性病は男女・年齢問わず誰にでも可能性のある身近な病気―
早期発見・早期治療開始が鉄則です

性病(STD/Sexually Transmitted Diseases)とは性行為によって感染する病気です。男女・年齢問わず誰でも発症の可能性があるとても身近な病気です。特に感染初期では自覚症状が乏しいケースが多く、知らず知らずのうちにご自身の身体が病に侵されてゆくだけでなく、大切なパートナーにも感染を広げてしまう大変危険な病気です。

男女ともに不妊の原因のひとつになりやすく、出産時には子供にも感染を広げてしまいます。抵抗力の低下からさらにHIV感染の可能性も高まりますので、性病は早期発見・早期治療開始することが何よりも重要となります。

近年では梅毒患者数の急激な増加が問題視されています。性行為の際には正しい知識を持って予防に努め、不安や異常を感じたらすみやかに適切な検査や治療を受けられることをおすすめします。

クラミジア

クラミジア・トラコマティスという細菌によって引き起こされる性感染症です。クラミジアは感染してもほとんどの場合、無症状もしくは軽微な症状であることが多く、そのため早期発見が難しいとされている病気です。排尿時の尿道の違和感(かゆみ・痛み・透明な膿のような分泌物など)、腹部の違和感、下着の汚れなどで気づかれる方が多く、放置すると精巣上体炎(片方の睾丸の腫れ・痛み)を引き起こしたり、咽頭部や直腸、眼などにさらなる感染を広げます。抗生物質による早期の治療が重要となります。

淋菌

淋菌と呼ばれる細菌に感染して起きる病気です。感染力は強く、他の性感染症(特にクラミジア)を併発するケースが多くみられます。男性は尿道から白黄色の膿のような分泌物が出るようになり、排尿時には強い痛みを伴います。一方で女性は無症状のことが多く、そのため周辺部位に感染を広げやすくなります。

梅毒

トリポネーマ・パリダムという細菌感染によって引き起こされる病気で、性器だけでなく全身にしこりや赤い発疹が広がってゆくのが特徴的です。症状が現れたり消えたりを繰り返すためつい見逃されやすく、さらなる感染拡大を招く危険が高い病気です。症状の現れ方には以下のような段階を経るため、正しい知識と理解をもって根気強く治療に臨むことが大切です。治療においては抗生物質の服用が必要となります。

第1期 感染後3週間~3か月

性器・肛門・口に0.3cm~3cmほどの痛みやかゆみのないできもの(初期硬結)が現れます。通常は1つですが、複数個できることもあります。次第に中央がえぐれ(硬性下疳)、約1か月程度で自然に消えてしまいます。足の付け根や首のリンパ節に腫れがみられます。

第2期 感染後3か月~3年

手のひらや足の裏などの全身に癒合性のない赤い発疹(バラ疹)が散在的に生じます。皮疹の中央部に乾燥した局面があるほか落屑や脱毛などといった症状がみられます。バラ疹はかゆみや痛みを伴わないことが多く、無治療のままでも短期間(数週間~数か月)で自然消失してしまうため注意が必要です。

潜伏梅毒 3年~10年

無症状のまま何年も経過することで、体内でトレポネーマが炎症拡大を起こし、次第に脳や眼、神経や各臓器に深刻な影響を与えてゆきます。

後期梅毒 10年以上~

感染から数年~数十年後に体内にゴム状の腫瘍ができます。生命に直接的に関わるような大動脈瘤や髄膜炎、神経障害などを引き起こすといった重篤な状態に陥ります。

非クラミジア性非淋菌性尿道炎

マイコプラズマやウレアプラズマ、アデノウィルスなどによる感染が主原因となり、尿道炎を引き起こします。症状は比較的軽く、尿道から膿のような分泌物が生じたり、軽い排尿痛やかゆみ、下着の汚れから気づかれる患者さんが多いです。クラミジアや淋菌との同時感染も招きやすく、放置するとまれに精巣上体炎や前立腺炎に進行することがあります。検査で原因となっている菌を特定した後、抗生剤を服用して治療することが一般的です。

単純ヘルペス

単純ヘルペス菌に感染することによって、性器周辺や唇に痛みの強い複数の水ぶくれができます。発熱や倦怠感、頭痛やリンパ節の腫れを伴うことが多く、再発しやすいことが特徴です。初発時・再発時ともに抗ウイルス薬を服用し、軽度の場合には外用薬を塗布して治療します。

 

尿道に何らかの違和感や異常がみられる場合、
保険診療が認められているものに関しては
保険適応となるケースがあります

性病は直接的な性器にダメージを与えるだけでなく、排せつ機能にも重大な影響を与えます。特に尿道に違和感や異常を生じることが多いため、特徴的な症状がみられる場合には保険診療の対象となる場合があります。

当院では自費診療においても
性病にまつわる各種検査を取り扱っております

性病は無症状であるケースもとても多いため警戒が必要となります。そのためご本人にとって気になる出来事があった場合には、漠然とした不安をお抱えになられて思い悩まれる方もけっして少なくありません。特別な症状が今みられなくても、自費診療では性病にまつわる各種検査を受けることができます。当院では主要な性病10種をまとめて検査できる「検査セット」もご用意いたしております。ご心配事のある方は医師までお気軽にご相談ください。

詳しくはこちら

感染を調べるための各種検査について

当院では主な検査方法として以下の3種を採用しています。検体の分析に関しては、内容によって院内で行えるものと専門の検査機関に委託して行うものとがございます。詳細な分析が必要となる場合には、検査結果が出るまで数日を要しますのでご了承ください。

尿検査

尿道への異常や感染の有無を調べるために有効です。分泌物の有無や沈殿物の分析によって炎症の程度を調べます。

血液検査

原因となっている細菌やウイルスの種類を詳細に特定するだけでなく、炎症の程度を精査するために必要となる検査です。

綿棒でのぬぐい検査

咽頭部への感染確認や膣内の感染状態を確認するために用いる検査となります。滅菌済みの綿棒で患部をぬぐい、採取した粘膜の分泌物を詳細に分析します。

性病を予防するために重要なこと

性病はさまざまなウイルスや細菌によって感染が引き起こされる病気です。予防においては正しい知識を持った上で性行為を行うことが非常に重要となります。

  • 不特定多数との性行為を防ぐ
  • コンドームなどの避妊具を正しく使用する
  • 出血や強い痛みを伴うような性器を傷つける性行為を行わない
  • 清潔な環境作りを意識する
  • 不安があればご自身で積極的に検査機会をもうける など

性病に対して正しい知識を持ち、
早期に異常に気づける体制づくりを行うことが大切です

性病は潜伏期間が比較的長い上に、感染しても自覚症状が乏しいため、ご自身ではなかなか早期に異常に気づきにくいという難点があります。また、感染を引き起こす部位も直接的な性器だけでなく、眼や咽頭部、腸など全身のさまざまな部位に影響を与えます。

これからも大切なパートナーと関係を良好に保つためにも、性行為と性病に対してそれぞれ正しい知識を持ち、ご心配事があればご自身でも積極的に検査機会をもうけるなどの工夫が大切となります。

当院では公的な医療保険を適用しない自費診療においての性病検査も多数実施いたしておりますので、気になる方はぜひご相談ください。

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